約1年間程、オーストリアのウィーンに短期留学をしていて、
休日によく周辺各国を観光をして周りました。
一番良く出かけたのは、ドイツのミュンヒェンです。
ミュンヒェンから電車で2~3時間程行った所に、シュヴァンガウと言う村があります。
こーんな感じのかなりド田舎なのですが、観光地として有名な所です。
ドイツの観光の目玉! ノイシュヴァンシュタイン城があるのです!
ディズニーランドのシンデレラ城のモデルとなった事でも知られる有名なお城です。
ノイシュヴァンシュタイン城は19世紀の末に、当時のバイエルン国王ルートヴィヒにⅡ世に因って建てられました。
作曲家リヒャルト・ワーグナーの最大の擁護者であったルートヴィヒⅡ世は、
北欧神話をモチーフとして作られたワーグナーのオペラ楽劇ニーベルングの指輪の中に出てくるヴァルハラ城をイメージして、このお城を建てたのです。
楽劇ニーベルングの指輪のラインの黄金の中で、神々の長、ヴォータンがヴァルハラ城を見ながら歌う場面があります。
Abendlich strahlt der Sonne Auge
in prächtiger Glut prangt glänzend die Burg.
Google翻訳で歌詞を訳したら、とんでもない文章になりました。
要約すると『夕日を反射して城が灼熱のごとく輝いている』って感じです。
夕暮れ時、私は何もない田舎道に立って、じっとお城を眺めていました。
オペラの中の情景を思い浮かべながら、お城が夕日で赤く染まるのを期待して。
上の写真に写っている様に、白亜の城が微かに赤っぽくなりましたが、
輝く事なく日が暮れてしまいました。
「そんな、嘘でしょう。。。」
お城には観光客が大勢詰め掛けていますが、田舎道には誰もいません。
私は人気の無い夜道に取り残されてしまいました。
すっかり落胆してお城の麓にあるホテルまで戻ろうとすると、お城が夕日の色でなく白く輝きました。
夜になるとライトアップされるのですね!
一旦ホテルへ戻り、夜中に再びライトアップされたお城を見に戻ることにしました。
夜の11時半頃だったと思います。
静かなホテルを抜け出して、田舎道に戻って参りました。
冷たい空気の中、目の前にライトアップされたお城が浮かび上がっています。
すごく幻想的で美しい光景でした。
ところが、突然真っ暗になりました。
「えっ?! なんでぇ~?!」
ライトアップは深夜の12時で終わってしまうのですね。
「そんなの聞いてないよぉ。誰にも尋ねなかったけれど。。。」
今度こそ、本当に真っ暗な夜道に取り残されてしまいました。
街中とは違って街灯もありません。
目が慣れて来ると暗闇でも見えるのでホテルへ戻ろうと思いました。
すると、ホテルとは反対方向の田舎道の遥か彼方から、
2つ光るライトが近づいてくるではありませんか!
自動車です。
もし悪人だった場合、姿を見られてトラブルになると困りますよね。
善人だった場合も「こんな夜道で1人で何をしているんだろう?」と心配されても困ります。
無用なトラブルを避ける為に、道の脇にある植え込みの陰に隠れてやり過ごしました。
「流石私!危険回避能力に優れているのか?!」
自動車が去った後、ふと夜空を見上げると、
満点の星々が一斉に私に向かってまたたきました。
ウインクしたみたいに。
「ドキッ」
一瞬、ものすごく照れてしまいました。
でもすぐに
「そんなわけないか…」
と正気に戻りました。
天の川までは見えないけれど、星がとても大きく沢山輝いていました。
何度見直しても、相変わらず星々は派手にまたたき続けています。
一瞬だったけど、そんな勘違いをするなんて、私って結構自意識過剰かも。
この勘違いが、私にとって一番幸せな思い出です。
これを超える幸せな思いは、もうないかもしれません。
だって、満点の星が自分に向かってまたたいたんですよ。
まるで意思でもあるかのように。
あの時私は、宇宙の中の星々にとって特別な存在でした。
コメント
コメント一覧 (12件)
ノイシュバンシュタイン城は、母も妹といったのですごく気に入って
すごい細かいジグソーパズルで作ったのがリビングに飾ってあります
今の私よりちょっと年もいってたと思うけど
母はジグソーパズルが大好きで
今でもははんちに行ったら説明して
くれますよ
行った。。。だけですけど苦笑
りょうちゃん、こんにちは(^〇^)
お母上と妹さんがノイシュヴァンシュタイン城に行かれてたんですね♪
私もとても気に入って、欧州にいた間ちょこちょこ通って、
お城の裏山を散策したり、隣の山にケーブルカーで登ったりしました。
お城の見える位置に土地を買って、別荘を建てたいと本気で考えました。
「ホテルに泊まればいいじゃないか」と周りに止められましたけど(^_^メ
私の家にもジグソーパズルで作ったのがあります(*^_^*)
大きなもので、確か作るのに10日以上かかりました。
こんにちは^^
幼少期にとっても素敵な体験をされたんですね。
お城がとっても素敵です。
お城が赤く染まるのは見れなくて残念だったけど、
ライトアップしたお城も素敵だったんでしょうね。
星が自分に向かって瞬くっていいですね。
私もネオンも何もない田舎に住んでいるので
星が大きくて綺麗ですよ。
明石の星を1カラットとすると
青森の星は10カラットはありますね。
アリサヤさんが見た星も10カラットあったんでしょうね^^
こんばんは(^◇^)
ウインクではないですが、2008年12月1日に、金星、木星、月が日没後の西空でニッコリ微笑んでいたのを思い出しました(笑)
あれから早6年が過ぎたのかと時の流れの速さを実感する次第です(>_<)
まゆみさん、こんばんは(^〇^)
幼稚園の頃の文章はわかりにくいと思って、
シンプルに書き換えました(^_^メ)
とても素晴らしく素敵なお城です。
夕日に輝く所が見たかったです。
今度は行く前に、どういう気象条件だと赤く輝くのか調べてみます。
星にまたたかれて、ドッキリしました(*゚▽゚*)
まゆみさんの住んでいる所は、10カラットの大きな星なんですか!
ステキですね~☆
私が見た星も10カラットあったと思います♪
あのお城の麓に住んで、夜は星を見ながら暮らしたいです(*^_^*)
マスタードクラスさん、こんばんは(^〇^)
私も金星、木星、月の天体ショーを見ました♪
あれからもう6年も過ぎているんですね☆
今は夜中に見える木星が綺麗ですよね。
夕方の金星も輝いています。
土星も見えるみたいですね。まだ探せていませんが、
晴れた日に探してみます(*^_^*)
惑星って恒星と違ってまたたかないから、すぐ見つかりますよね(^〇^)
異国で夜中に真っ暗な田舎道で一人、
想像したらもの凄く怖いですけど、
おかげで、素敵な体験が出来たってことですね~。
いつでも星より街灯が光ってる場所で暮らしていると、
そんな素敵な勘違いは起こりません~。
心姫さん、こんばんは(^〇^)
都会の治安の悪い夜道も怖いですが、
田舎道も凄く怖いです。
でもまた行ったら同じ事しそうです。
夜道で私と出会ってしまった人の方が恐怖を感じると思います(^_^メ
街中だと明るいから、星もちょっとしか見えなくて
勘違いも出来ないですね。
たまには大きな星を見に暗い所へ行きたいです(*^_^*)
海外良好なんて、ほとんど行かないですね。
迷っちゃいそうで。
ドイツはお城がたくさんあって、ある意味ファンタジー世界ですね。
知らない場所で真っ暗は怖いですね・・・。
綺麗な夜空を見れるのはいいことですが。
こんばんは~
ご無沙汰です。
返事が、遅くなり申し訳ないです(ToT)
お元気そうでなによりです(^◇^)
僕は、一度はヨーロッパに行ってみたいです。
特に、スイスかオーストリアに。
景色が絶品なところばかりですので。
ノイシュヴァンシュタイン城も見てみたいです。
しかしライトアップが突然消えて、周りが、
真っ暗なのは、怖いですね!
しかし、うまく回避できましたね。
僕なら、とりあえず、声をかけるかも…
星空が綺麗に見えたのがいいですね。
アリサヤさんって、ロマンチスト!
しばいつんさん、おはようございます(^〇^)
方角がわかっていて地図があれば、何とかなりそうですけど、
目的の建物が見えていても、道が入り組んでいてたどり着けない街があったりして
迷っちゃうのも楽しいです(*^_^*)
お城ってファンタジーですね~(^▽^)
有名な観光地以外のお城に行くと、静かで魔物が出現しそうな雰囲気があります。
真っ暗な場所で魔物が出たら怖いけど、
綺麗な夜空はステキですよね♪
りょーごろーさん、おはようございます(^○^)
りょーごろーさんもお元気そうで良かったです♪
スイス、オーストリア、南ドイツの辺りは、私が一番好きな地域です(*゚▽゚*)
景色が絶景なところが沢山ありますよね♪
行きそびれてしまった所も多いので、また行きたいです。
スイスはユングフラウとマッターホルンが楽しかったです。
登山鉄道に乗ると平地の電車と違って異様にわくわくしました。
オーストリアはザルツカンマーグートの辺りが良かったです。
ノイシュヴァンシュタイン城の美しさは格別です☆
ルートヴィヒⅡ世の建てたお城は他に2つあって、
ヘレンキームゼー城とリンダーホーフ城といいますが、
その2つのお城もとても綺麗でお勧めです。
夜道で知らない人に声をかけるのは、とっても怖そう…
私は臆病なので隠れちゃいます。
りょーごろーさん、勇気ありますね!
ロマンチストと言って貰えると嬉しいです(^○^)
壮大な勘違いでしたけど、貴重な思い出です♪